漆器の特性と天然・合成漆器のお手入れ

漆器の特性

漆塗の漆器

漆器 は長くお使いいただくほどやわらかいみのある光沢が増し、他のどの器よりも、強さを誇る性質を持ちますので、子孫に伝える大切な財産と申せましょう。

漆器の特性とお手入れ

 

漆はいったん乾きますと、酸、アルカリ、アルコールなどの薬品や強い熱などにも耐えられる強靭な塗膜を作ります。これは漆に含まれている成分・ウルシウォールによるもので、漆自身の力で乾燥するという、他の塗料には見られない特性を持っています。そのうえ、何度も、塗っては乾燥させるという作業を繰り返して製品にしますので、少しぐらいぶつけた程度では剥がれない堅牢なものになるのです。

漆器は、独特な素材と工程によって作られる日本の伝統的な工芸品です。以下に、漆器の特性についていくつかのポイントを挙げます。

1.耐久性と強度
正しく作られた漆器は非常に耐久性があり、適切に扱われれば長く使えます。漆の層が表面を保護し、木製のベースが強度を提供します。
 
2.深みのある美しい仕上げと光沢
漆器の最も顕著な特徴はその深みのある美しい仕上げと光沢です。漆の塗布と磨きが、特有の深みと光沢を生み出します。 3.防水性と耐久性: 漆の塗布により漆器は防水性があり、一部の液体から保護されます。また、漆の層が微細な傷を修復する優れた特性を持っています。
 
4.繊細さと注意が必要
漆器は耐久性がありますが、同時に繊細で扱いに注意が必要です。鋭利なものでの傷つけや、強い衝撃から守る必要があります。
 
5.温度と湿度に対する感受性
高温や高湿度、直射日光などの極端な環境条件には弱いため、適切な保管条件を確保する必要があります。
 
6.伝統と職人技術
漆器は日本の伝統的な工芸品であり、数百年にわたる職人の技術や伝統が受け継がれています。
 
 
    
漆器の手入れ

 漆器のお手入れ

漆塗りの漆器のお手入れ方法(天然漆器)

注意点

熱や鋭利なものに対しては注意が必要です。高温(鍋皿等含む)のものや直接火にかけることは避ける必要があります。

漆器のお手入れは、ぬるま湯をと通した後、やわらかな布でふき直射日光と湿気乾燥のはげしい所はさけて保存して下さい。濡れたままでの放置はさけてください。高価な漆器(蒔絵沈金等)は柔らかい布でそっと洗い、柔らかい布でそっと拭きます。

硬いブラシやゴシゴシとこすらないよう、クレンザーやタワシの使用は表面を傷つけますので、使用しないようにしてください。柔らかいスポンジと台所用中性洗剤は可

漆器は美しい光沢と独特の質感を持つ伝統的な工芸品です。適切なお手入れをすることで、その美しさを長く保つことができます。以下は漆器の手入れに関するいくつかの重要なポイントです。

1.優しい手触りの布を使用する
漆器の表面を拭く際には、柔らかく繊維が細かい布を使用してください。厚手の布やゴミや砂などがついた布を使用すると、漆の表面を傷つける可能性があります。

2.水につけ置きしない(特に木製品)
漆器は水で注ぎ、柔らかい布で軽く拭く程度とします。水たまりにも注意します。

3.定期的に拭き取る
漆器は定期的に柔らかい布で軽く拭くことで、埃や汚れを除去します。汚れがついたままになると、漆の表面に悪影響を及ぼすことがあります。

4.油を使って拭く
漆器の保護や光沢を維持するために、漆器専用の菜種油などの植物油(サラダ油等)を少量布に染み込ませ、漆器の表面に薄く塗布して拭き取る方法があります。油の使用量は非常に少量であり、過剰に使うと漆器の表面がくすんだり、黄ばんだりする可能性があるため注意が必要です。

5.高温や湿気から避ける
漆器は高温や湿度の高い場所で保管すると、変形や表面の劣化を招くことがあります。また、直射日光も避けましょう。

6.優しい取り扱い
漆器は繊細で傷つきやすいため、衝撃や鋭利な物でのぶつかり合いを避けてください。また、漆器を重ねて保管する際は、表面同士が直接触れないように気を付けてください。

7.定期的な手入れ
漆器の手入れは定期的に行うことが大切です。こまめなお手入れを怠らないことが、愛着湧きより長く美しい状態を保つ秘訣です。

 

合成漆器のお手入れ方法(合成樹脂やプラスチックなどで塗られた漆器)

  1. 水洗い: 合成漆器は比較的耐久性が高く、水洗いが可能です。ぬるま湯を使用し、柔らかい布やスポンジで軽く洗いましょう。洗剤は中性のものを使用し、力を入れすぎないようにしてください。洗った後は、十分にすすいで水気を拭き取ります。
  2. 注意点: 熱や鋭利なものに対しては注意が必要です。高温のものや直接火にかけることは避ける必要があります。また、硬いブラシやゴシゴシとこすらないようにし、傷をつけないように注意してください。
  3. 乾燥: 漆器を洗った後は、十分に乾燥させることが重要です。水分が残ったまま放置すると、カビや変色の原因となります。乾燥は風通しの良い場所で行い、直射日光を避けてください。
  4. 油拭き: 合成漆器には通常、油拭きは必要ありません。合成漆器は天然漆器と比較して、油を含んでいないためです。油拭きは行わず、水洗い後に乾燥させるだけで十分です。
  5. 保管: 漆器は湿気や直射日光、高温を避ける必要があります。適切な保管場所は、湿気の少ない涼しい場所です。また、他の物と直接接触しないように、クロスや和紙などで包んで保管すると良いでしょう。

    合成漆器のお手入れは比較的簡単ですが、定期的なメンテナンスを行うことで美しい状態を保つことができます。

     

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    漆の特性とお手入れ

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