木曽平沢
漆の里が織りなす歴史と伝統、そして自然の絶景
長野県塩尻市に位置する木曽平沢(※旧楢川村)は、人口約1,100人の閑散とした古寂びた山あいの里ながら、その奥深い魅力で訪れる人々を惹きつけてやみません。古くから交通の要所として栄え、木曽漆器と中山道という二つの顔を持つこの地は、漆塗りに適した気候を兼ね備えた、まさに「漆の郷」であり「漆工町」です。
※「旧楢川村」は、長野県塩尻市の南部に位置していた、かつて木曽郡に属していた村の名前です。かつて贄川村(にえかわむら)と奈良井村(ならいむら)という二つの独立した村で構成されていました。これらの村は、江戸時代の五街道の一つである中山道の宿場町としてそれぞれ重要な役割を担い、独自の歴史と文化を育んできました。
木曽平沢は奈良井村に属する地区の一つでした。奈良井村は中山道最大の宿場町である奈良井宿を擁し、その周辺地域に木曽平沢が含まれていました。したがって、木曽平沢は、中山道沿いの宿場町としての奈良井村の歴史と、漆器の伝統が深く結びついた地域であると言えます。
贄川村と奈良井村の1889年(明治22年)に両村が合併して楢川村が発足し、さらに2005年(平成17年)4月1日に塩尻市に編入合併され、現在は塩尻市の一部となっています。
余談ではありますが、楢川村(ならかわむら) の「楢(なら)」は、まさしくブナ科のナラノキに由来すると考えられます。この地域にナラの木をはじめとするブナ科の広葉樹樹木が多く自生していたことから、その豊かな自然環境にちなんで名付けられたのでしょう。私見ではありますが、このように身近な自然から地名が生まれたと考えると、非常に親しみを感じる、素敵な名前だと感じます。
旧楢川村は、以下のような特徴を持つ地域でした。
・地理的特徴と自然環境:
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- 木曽谷の北端に位置: 木曽山脈(中央アルプス)の北麓に広がり、鳥居峠(1197メートル)を境に木曽谷の入口にあたります。
- 奈良井川沿いの集落: 南方の茶臼山を源として北流する奈良井川に沿って、主要な集落が点在していました。
- 高冷地: 全域が高冷地に該当し、傾斜地が多く平坦地に乏しいという地形的特徴がありました。これは農業の発展に制約を与えましたが、同時に漆器産業のような土地を広く使わない産業が発展する要因にもなりました。
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豊富な森林: 行政区域の95%が森林で占められ、豊かな水資源と、地球温暖化対策に貢献する多面的な機能を持つ地域でした。
JR木曽平沢駅:特急「しなの」も停まる漆器祭りの玄関口
JR東海の中央本線(中央西線)が通るJR木曽平沢駅は、名古屋駅から塩尻駅を結ぶ路線に位置し、塩尻駅からはわずか4つ目の駅です。
毎年6月に開催される恒例の漆器祭り期間中には、特急「しなの」が特別停車し、遠方からのアクセスも非常に便利になります。美しい原風景を眺めながら、歴史ある岐阜県東濃地域を走り、尾張名古屋へと続く旅路は、日本の豊かな自然の息吹を感じる心地よい時間となるでしょう。
1. 歴史的価値:中山道と木曽義仲が息づく地
木曽平沢は、江戸時代に中山道・木曽街道の宿場町として大いに賑わいました。街道沿いには多くの旅館や商家が建ち並び、交通の要衝として重要な役割を果たしていました。
さらに、「木曽の桜花」とも称される勇猛果敢な武将、木曽義仲(源義仲)の支配地でもあり、武将たちの拠点としても歴史に名を刻んでいます。彼の象徴である九曜紋入りの漆塗り祝儀盆は、この地の伝統と歴史を今に伝える貴重な品です。
木曽義仲:九曜紋入り・漆塗り祝儀盆
2. 伝統工芸の拠点:木曽漆器の真髄を体験
木曽平沢は、漆郷・漆工町として、木曽漆器をはじめとする伝統工芸の産地として全国的に知られています。古くから受け継がれてきた職人たちの卓越した技術は、今も大切に守られ、その美しさと品質は高い評価を得ています。
特に、昔から地場である奈良井宿(旧楢川村)で採れた錆土が、木曽漆器の進化に大きく貢献してきました。漆器の製作工程を見学したり、職人技に触れることができる場所も点在しており、日本の伝統文化を肌で感じることができます。
3. 文化的な景観:国選定重要伝統的建造物群保存地区
木曽平沢は、その歴史的な町並みや建造物が良好な状態で残るエリアです。古い建築物や街道など、古き良き時代の風景がそのまま残り、まるでタイムスリップしたかのような感覚を味わえます。
この「漆工町」は、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されており、日本の貴重な文化遺産としてその景観が保護されています。閑散とした落ち着きある街並み、散策するだけでも、歴史と文化の深さに触れることができるでしょう。
4. 自然環境の豊かさ:中央アルプスの恵みと清流
木曽平沢は、中央分水嶺を頂き、木曽山脈(中央アルプス)や木曽川など、豊かな自然に囲まれた地域に位置しています。四季折々の美しい自然景色や清らかな清流は、訪れる人々の心を癒します。
森林セラピーで心身をリフレッシュしたり、ハイキングで大自然を満喫したり、川遊びで涼をとるなど、様々なアウトドアアクティビティが楽しめます。特に、新緑の季節や紅葉の時期は、息をのむような絶景が広がります。
5. 観光地としての魅力:歴史、伝統、自然の融合
木曽平沢は、その歴史的な価値、伝統工芸品、そして豊かな自然環境が絶妙に融合した、まさに魅力あふれる観光地です。古き良き日本の風情を感じられるこのエリアは、国内外から多くの観光客を惹きつけ、親しまれています。
木曽漆器の美しさに触れ、地元の塩尻ワインを味わいながら、この地の持つ奥深さを体験してみてはいかがでしょうか。木曽平沢は、豊かな歴史と伝統、そして息をのむような美しい自然が調和した、日本の文化と歴史を深く体験できる素晴らしい地域です。

漆郷・赤いトタン屋根が情緒
自然と歴史の調和:雪景色の漆郷

木曽平沢駅・JR東海


中央西線・普通列車・各駅停車(鈍行)

ようこそ漆工町へ:駅内の漆器展示

駅を出て左手(南)下 にある<うるしの里水辺公園>公園を横断すると本通りに出る。

古い地図宣伝看板:【蔵出殿】かく丸漆器問屋も載っていました。
本通り-駅への案内看板

漆器制作の適地:漆郷
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