根来塗(ねごろぬり)について
根来塗(ねごろぬり)は、朱による漆塗漆器の通称で、黒漆を中に塗り、朱漆を上塗りしたものです。上塗りを朱漆の塗立(ぬりたて(塗放・花塗))とする品も多い。名の由来は、紀州根来寺(現:和歌山県岩出市)高野山・豊臣秀吉・
根来塗の魅力
手ずれなどによる上塗りの朱漆が、ジーパンのように擦れ、摩耗し、下地の黒漆が所々に現れる、朱と黒の対比が妙となる。数奇者、茶人たちが良く好み、珍重するところとなり、根来塗の名が広まった。
現代では最初から朱を研ぎ、この趣きや色調を出しています。
曙塗
根来塗とは逆の塗で、中塗りを朱で上に黒を塗り重ねた塗方をいいます。陽射を表す塗方です。
根来塗の歴史
根来塗は、日本の伝統的な塗り技法であり、その歴史は古く、主に日本の建築や工芸において使用されています。以下は、根来塗の歴史についての基本的な情報です:紀伊国根来寺に由来(和歌山県岩出市:紀州漆器)
1.起源:
- 根来塗は、奈良時代(8世紀〜784年から710年まで)に始まり、特に平安時代(794年から1185年)に栄えました。
- 当初は宮廷や寺院の建築物に使用され、その後一般の住宅や茶室にも広がりました。
2.用途:
- 根来塗は、主に建築物や家具、工芸品などの木材の表面を美しく飾り、耐久性を向上させる目的で使われました。
- 寺院や茶道具、屏風、襖(ふすま)などの日本の伝統的な建築や工芸品に多く見られます。
3.発展:
- 平安時代になると、根来塗は多様な技法やスタイルが発展し、地域ごとに独自の特色を持つようになりました。
- 室町時代(1336年から1573年)には、茶道の流行とともに、茶室や茶道具にも多く利用されました。黒根来:茶道具 として重用
4.技術の継承:
- 根来塗の技法は、伝統的な師弟制度や家族内の伝承を通じて受け継がれてきました。特に、職人の技術や経験が重要であり、多くの場合、熟練した職人が技法を教え、次世代に受け継がれました。
5.現代の継承と発展:
- 現代でも、根来塗は伝統的な技法として大切にされており、伝統的な建築や工芸の復元プロジェクトなどで使用されています。同時に、現代のアートやデザインにおいても根来塗の技法を取り入れ、新しい形での表現が試みられています。