蠟色(ろいろ)仕上げについて
蠟色(ろいろ)仕上げは、漆塗りの技法で蠟色塗(ろいろぬり)ともいう。上塗りした表面をよく研磨し、生漆(きうるし)で摺漆(すりうるし)を行い、艶仕上げする技法。節、ゴミ、刷毛目などがなくなる寸前まで炭で研ぎ、生漆で漆固めを行い、蠟色炭で研ぐ。菜種油と砥の粉を混合して塗面をよく磨き、摺漆を施し硬化させる。この作業を繰り返し行う。蠟色仕上げの塗肌の色と艶は、漆黒といわれるのが特徴で、漆以外の塗料ではでない品格がある。蠟色仕上げは黒漆仕上げであるが、木目の見える木地蠟色仕上げ、朱漆を用いた朱蠟色仕上げもある。