鞠子の樹 ― 樹木文化の伝承活動
「鞠子の樹」は、樹木文化の伝承活動です。
「鞠子の樹」という名は、歌川広重が描いた「東海道五拾三次之内・鞠子」の世界から生まれました。

旅、街道、樹、器、そして人の暮らし。
それらを難しく考えるのではなく、実際に見て、触れて、使って、愉しむ。
そんなところから「鞠子の樹」は始まりました。
樹は、生きているときだけ人と関わるものではありません。
山や里で育った樹は、やがて木となり、器となり、道具となって、長い間、人の暮らしに寄り添ってきました。
そして漆もまた、樹からいただく恵みです。
樹からいただいたものが人の手によって器となり、日々の食卓を彩り、暮らしに温もりや心の潤いをもたらす。
かく丸漆器問屋では、そんな**「樹からいただいた潤いを、暮らしへ伝えること」**を一つの使命としてきました。
暮らしの中に残る木の文化
かく丸漆器問屋は、昭和6年創業。
木曽漆器を扱いながら、長い年月を重ねてきました。
蔵や倉庫には、今ではあまり見かけなくなった器や道具も残っています。
古いから価値がある、というだけではありません。
「これは何に使ったのだろう」
「なぜこんな形になったのだろう」
「今なら、どんな使い方ができるだろう」
昔の器や道具を眺めていると、その向こうに、その時代の暮らしや人の工夫が見えてきます。
しまっておくだけではなく、もう一度、今の暮らしの中で使ってみる。
そこから「旅の道具たち」や「独楽(ひとり)蒸す」も生まれました。

樹から、器へ。そして暮らしへ。
私は家業の漆器問屋とは別に、樹木医として樹木に関わる仕事もしています。
その中で以前から「樹木文化の伝承」ということを考えてきました。
→ 2012年「樹木文化を伝える活動」グリーン・エージ
古い樹を守ること。
巨樹や名木について伝えること。
木から生まれた器や道具を使い続けること。
形は違っても、そこにあるのは、人と樹との長い関わりです。
2017年には山形村小学校で、児童と一緒に古いシダレザクラの樹勢回復にも取り組みました。

一本の樹に触れ、その樹について知り、次の世代へ残していく。
そんな経験も、樹木文化を伝える一つの形だと思っています。
樹から、暮らしの文化へ
昔の器を一枚使ってみる。
木の道具で何かを蒸してみる。
旅先で一本の古い樹を眺めてみる。
そこから少しだけ、樹と人との関わりに思いを巡らせてみる。
物を売ることだけではなく、そんなきっかけを作っていくことも「鞠子の樹」の役目だと考えています。
樹を知ること。
木を使うこと。
そして、そこから生まれる暮らしの潤いを伝えること。
樹から、暮らしの文化へ。
鞠子の樹 ― 樹木文化の伝承活動
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